大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和33(オ)939 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人布山富章、同松本英夫、同高山盛雄の上告理由一について。

原判決の事実摘示によれば、上告人は乙五号証の成立を不知と述べていること、

しかるに原判決の理由中所論の部分には、「……右賃賃借の一ケ月の賃料が三千円

であることについては成立に争のない乙第五号証……により明らかであり……」云

々と判示していることはまことに所論のとおりである。

しかし原判決の理由第一の二によると、 「……右Dの証言により成立を認め得

る乙第五号証を綜合すれば……」云々とあつて、右乙五号証はDの証言によつて成

立を認め得る旨を判示しており、所論の前記判示は、これを受けているものである

ことは判文上明らかであるから、粗笨な判示であることを否むことはできないが、

しかし「前記Dの証言によつて成立を認め得る乙五号証」の意に解されないではな

く、少くとも成立の争いのある書証をそのまま何らの手続によらずに事実認定の資

料に供したものであるとはいい得ない。それゆえ論旨は採るを得ない。

同二および三について。

しかし、本件家屋は被上告人の賃借占有中のもので家賃月額三〇〇〇円を支払つ

ていた旨の原審認定は、Dまたは被上告人の供述だけでなされたものでないことは

判文上明らかであるばかりでなく、所論の点に関する原審の事実認定は挙示の証拠

に照し首肯できないわけのものではない。

論旨はひつきよう原審がその裁量権の範囲内で適法にした証拠の取捨判断および

事実認定を争うに帰するから採るを得ない。

同四について。

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しかし所論組合契約不存在に関する原審の事実認定は挙示の証拠に照し是認でき

なくはない。原判決には「他に前認定を左右するに足る何らの証拠もない」と判示

し、所論書証についても判断を示していることが明らかであるから所論判断遺脱の

違法は認められない。この論旨もひつきよう原審の適法にした証拠の取捨判断およ

び事実認定を非難するに帰するから採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 高 木 常 七

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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